2017年12月19日火曜日

2017-12-19:いわゆるNHK受信料に関する最高裁判決について

12月6日に、NHKの受信料支払い義務に関して最高裁の判決が発表された。

一般人は新聞報道でその結果を知るのが大半なのだろうが、
日経、産経、毎日、朝日、NHKと表現の仕方に偏りを覚えた。

結局どやねん、ってことで原本を読んでみた。
ネットで最高裁のサイトに全文が掲載されている。

「平成26年(オ)第1130号,平成26年(受)第1440号,第1441号
受信契約締結承諾等請求事件
平成29年12月6日 大法廷判決」

これが全て。
これを簡潔に分かりやすく伝えようとして新聞各社の意図が入り込んでしまう。

特に専門用語が多く使われているわけでなく、私のような一般人でもわかりやすい文章だ。
際立った判断のところには、下線も添えられている。
下線されていたのは次の4箇所

(2) 以上によると,放送法64条1項は,受信設備設置者に対し受信契約の締
結を強制する旨を定めた規定であり,原告からの受信契約の申込みに対して受信設
備設置者が承諾をしない場合には,原告がその者に対して承諾の意思表示を命ずる
判決を求め,その判決の確定によって受信契約が成立すると解するのが相当であ
る。

(4) 以上によると,放送法64条1項は,同法に定められた原告の目的にかな
う適正・公平な受信料徴収のために必要な内容の受信契約の締結を強制する旨を定
めたものとして,憲法13条,21条,29条に違反するものではないというべき
である。

したがって,上記条項を含む受信契約の申込みに対する承諾の意思表示を命ずる
判決の確定により同契約が成立した場合,同契約に基づき,受信設備の設置の月以
降の分の受信料債権が発生するというべきである。

したがって,受信契約に基づき発生する受信設備の設置の月以降の分の受信料債
権(受信契約成立後に履行期が到来するものを除く。)の消滅時効は,受信契約成
立時から進行するものと解するのが相当である。


争われたのは2点。
放送法が憲法違反かどうか。
受信契約と受信料支払いの是非について。

憲法違反かどうかはさておき、私のような一般人に興味があるのは支払い義務があるあどうかだ。


NHK側は、テレビを設置した時点で契約は成立し、受信料の支払い義務(用語が微妙)が発生すると主張していたが、
最高裁は、両者の合意(受信契約の申込みに対する承諾)をもって契約は成立するもので、テレビを設置した時点で契約は成立しておらず、
必要であれば「受信契約の申込みに対する承諾の意思表示を命ずる判決の確定」により契約が初めて成立する
と判決したのだ。

つまり、私の理解では、
NHK側のテレビを設置したらそれだけで契約成立っていう主張は、放送法を鑑みてNHKが独自に設定したルールであって、放送法ではそこまで言ってないので一般的な契約の法律から判断すれば、両者の合意をもって契約は成立するものだ。ってことだ。

NHK側は、放送法の目的沿って放送を行い、それを受信者に承諾する努力をすべき。
受信者側は、放送の内容を見て、承諾すべき努力をしていると認めて契約してください。
ってことだと、わたしは読んだ。


と、ここまで書いただけでも長すぎるんだけれど、誤解を招かないように文章を書くのは難しいもんだ。

裁判所の判決文を初めて読んだけれど、案外あったかい論調だと感心した。

私が受信料払っているかどうか、はここでは伏せておきます(笑)



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