私は、2012年に希望退職といういわゆるリストラにあった。
話を聞いた時は、なぜ私を切るのか?という思いと、
抵抗しても、不毛な時間を浪費するだけだろうという思いだった。
世間では、トップの経営判断が問われている。もちろんそれは原因の一つだ。
舵をいい方向に切っていれば、企業体の負の部分も表に出てこない。
よく言われているように、液晶に特化して道を誤ったわけだ。結果論だけど。
問題は、新たな方向に舵を切れない体質にあると思う。
若手や、革新的な考えを持つ社員は社内で声を上げていたのだ。
しかし、それが取り上げられることはなかった。
遡れば、液晶の技術で事業拡大しイケイケドンドンだった頃が、私が入社した1990年代。
周りの方々がどんどん管理職に昇格されていた。
何も世間を知らない私は、そういうもんだと思っていた。
けれども、厳しい時代になるにつれ当然ながらそんなことは稀になってきた。
どこと比較したわけではないが、シャープの業績評価は現場の上司にほぼ一任されている。
全社の人事部の影響は皆無だ。
そうした中、評価されるのは誰になるのかというのが肝だ。
評価された人がその後の会社を背負っていくのだから。
ここで社風が影響しているのかもしれないが、
評価されるのは保守的に文句を言わず、従順な社員なのだ。
革新的な社員は放ったらかしにされる。
今だから言うが、退職する頃の在籍した本部・部署はひどいもんだった。
無能な上司が彼に従順な無能な部下を評価してるんだもの。
それで会社が回っていた時は良かっただろうけれど、ダメな時は方向転換さえ出来ない。
超有能な人は、会社から残ってほしいと言われても、社外で自己実現の場を求めて飛び出しただろう。
普通の有能な人は、会社からいなくなってほしいと思われて、社外に出ただろう。
そして、無能な従順な人が今残った。ということ。
中国の兵法書「六韜(りくとう)」が頭をよぎる。
「交渉の為に隣国から使者が来て、もしその者が有能ならば何一つ与えず返せ。
交渉の為に隣国から使者が来て、もしその者が無能ならば大いに与え、歓待せよ。
そうすれば、隣国では無能な者が重用され、有能な者が失脚する。
そしてやがては滅ぶ」
使者の例えはさておき、無能なものが重用されればやがてその国は滅ぶのだ。
自分は、今別の会社に拾ってもらって楽しんでるので、
この先この会社の行く末を酒でも飲んで眺めさせてもらおう。
貴重な、教訓を実体験させてもらった。
セラビ。
0 件のコメント:
コメントを投稿